法人の破産 メリット・デメリット
「法人破産」とは、倒産状態にある企業を法律に従って処理する手続のことです。
破産手続は裁判所に申立て、その後、裁判所から破産管財人が選任され、配当するだけの財産がある場合には、その財産を債権者に公平に配当する手続です。
法人の破産申立と同時に、経営者個人についても破産申立てをすることで、申立てにかかる諸費用を安く押さえることができます。
メリット
債務が免除され、返済や取立てが止まる
弁護士は委任を受けた後、債権者に対して支払停止の通知を発送します。その後のやりとりや交渉は全て弁護士が対応しますので、直接依頼者に対する取立ては止まります。
負債が消滅するため、資金繰りに悩む必要がなくなる
破産手続が完了したら、会社は清算され、法人格そのものが消滅し(破産法35条)、負債もなくなります。資金繰りの苦悩から解放され、再スタートの準備など前向きなことに取り組めます。
デメリット
会社を再建することはできません
中小企業は、経営者が会社の債務保証をしているケースが多く、その場合は会社の破産手続と同時に、経営者の個人破産をするのが通常です。経営者自身が破産をすると、金融機関からの借入が不可能になり、社会的信用が棄損します。よって、どうしても、会社を再建させたい場合には民事再生手続を検討する必要があります。
従業員の解雇
破産の場合、最終的に会社そのものが消滅しますので、破産手続開始後の破産管財業務において従業員の協力が必要と見込まれる場合を除き、原則として、勤めている従業員を全員解雇することになります。破産申立の準備の状況をみながら、すみやかに解雇の手続を取ることで、従業員が、労働者健康福祉機構の未払賃金立替払制度の利用、健康保険・年金等の切替えの手続で困らないようにしましょう。