過払金とは
過払金とは、貸金業者が利息制限法の上限を超えて取り続けていた利息です。この利息は本来支払うべき金額以上のお金なので、一定の条件をクリアすれば債務者は貸金業者から差額分を返還してもらうことができます。
過払金返還請求ができる人
年率18%を超える金利での借入期間が5年以上ある方は過払金の返還請求ができる可能性が高くなります。
過払金が戻ってくるかどうかは、下記の3点でわかります。
②取引していた期間及び時期
③取引終了してから10年経過していないか
昔から利息制限法の制限利率(※参照)を守っている貸金業者との取引の場合、過払金は戻ってきませんし、平成19年以降に借入を始めた場合(貸金業者の貸付金利が変化した時期であるため。)もまず戻ってきません。また、過払金返還請求権は、取引終了後10年で時効になります。
※利息制限法の制限利率
元本が10万円未満の場合 年2割(20%)
元本が10万円以上100万円未満の場合 年1割8分(18%)
元本が100万円以上の場合 年1割5分(15%)
過払金返還請求のメリット・デメリット
メリット
・貸金業者に払い過ぎたお金を取り戻すことができます。
・ブラックリスト(信用情報)には掲載されません。
デメリット
・過払金返還請求には時間を要しますので、今すぐ資金が必要な場合にはあてにできません。
弁護士に依頼するメリット
・煩雑な手続は弁護士が対応します。
・依頼者個人で交渉をするよりも、より多額の過払金を勝ち取ることができます
過払金返還請求の流れ
① 契約後すみやかに貸金業者に受任通知書を発送
委任契約を締結後、速やかに受任通知を各貸金業者へ送付します。この通知により各貸金業者からの取立て、督促は止まります。
② 債権の調査
各貸金業者に対し、これまでの取引履歴の開示を請求します(なかなか開示しない貸金業者があり、ここに時間がかかる場合があります。)。
③ 債権の確定 (正しい借金の額を計算し直します)
開示された取引履歴をもとに利息制限法に基づき引直し計算をし、債務額を確定します。
④ 過払金が発生していた場合は請求開始
利息制限法に基づき引直し計算によって算出した金額をもとに貸金業者に対して返還請求をし、返還金額、返還期日について話合いをしていきます。
⑤ 交渉、和解、過払金の返還
交渉し、貸金業者との間で合意書を作成できれば、和解が成立となり、合意した期日に過払金が返還されます。
⑥ まとまらないときは、過払金返還請求訴訟を起こし、裁判で争うことになります。
裁判をして過払金を回収する場合
貸金業者によっては、取引当初からの明細を出さなかったり、過払金の返還に同意しない場合があります。 そのような時は、過払金返還請求訴訟(正式には、不当利得返還請求訴訟)を起こし、裁判で争うことになります。
① 契約後速やかに貸金業者に受任通知書を発送
委任契約を締結後、速やかに受任通知を各貸金業者へ送付します。この通知により各債権者からの取立て、督促は止まります。
② 債権の調査
各貸金業者に対し、これまでの取引履歴の開示を請求します(なかなか開示しない貸金業者があり、ここに時間がかかる場合があります。)。
③ 債権の確定 (正しい借金の額を計算し直します)
開示された取引履歴をもとに利息制限法に基づき引直し計算をし、過払い金を確定します。
④ 訴訟提起
訴状提出日から約1ヶ月後に第一回口頭弁論期日が設けられます。双方の主張・反論を1回~数回行います。
⑤ 判決・和解調書合意書の作成
和解に至らなかった場合は、裁判所が判決を下します。ただ、実際は、多くの場合、訴訟上あるいは訴訟外で和解することになります。訴訟外で和解が成立した場合は、合意書を作成し訴訟を取下げます。
⑥ 過払金の返還
指定口座に過払金が入金されれば、手続終了です。
過払金返還請求の費用 (消費税別)
1 完済されていない方
(1) 着手金
2万円×債権者数。最低5万円。
※ 上記以外に実費1万円程度が必要になります。
(2) 報酬金
当該債権者主張の元金と和解金額との差額の10%相当額。
過払金の返還を受けたときは、当該債権者主張の元金の10%相当額と過払金の20%相当額の合計額。
2 完済されている方
(1) 着手金
2万円×債権者数。最低5万円。
※ 上記以外に実費1万円程度が必要になります。
(2) 報酬金
過払金の20%相当額